MEGMAGAは映画監督・プロデューサーの佐々木芽生が今感じていることをお届けするメールマガジンです。
※本メールは「ハーブ&ドロシー」をご購読いただいた皆様、そして今年、取材現場や講演会などでお会いして名刺交換させていただいた皆様にお送りしております。ご迷惑な場合は、大変お手数ですが、本メール下部の「配信停止」からお手続きをお願いいたします。
※正しく表示されない方はこちら

分断する世界に向けて発信する「ふたつのクジラの物語」

2016年も残すところあと数日となりました。皆さま様々な思いで、1年を振り返ってらっしゃることと思います。

私たち「クジラ映画制作チーム」にとっては、今年映画を完成して世に出せたことが何よりも大きな喜びでした。2010年から制作をスタートし、昨年クラウドファンディングで大勢のみなさまからご支援を頂いた映画は、英題「A Whale of A Tale」、 邦題「ふたつのクジラの物語」として10月に完成。韓国の釜山国際映画祭に正式招待され、世界プレミアを迎えることができました。

釜山国際映画祭は、毎年およそ20万人が訪れるアジア最大の映画祭(今年は政治的なスキャンダルで例年より活気がなかったようですが)。ここでドキュメンタリー部門のコンペティション作品に選出されるという栄誉あるスタートを切ることができたのは幸いでした。

釜山映画祭にて上映後の質疑応答
AFPとVarietyの取材を受ける太地町の代表者

映画の舞台になった和歌山県太地町からは、三軒町長はじめ役場や漁業協同組合の代表者の皆さんも駆けつけて下さり、上映後の質疑応答は大いに盛り上がりました。犬を食べる食文化があり、やはり海外からの非難に晒されている韓国の観客からは、太地町に同情する声が多く聞かれました 。

また、これまで海外のメディアのインタビューに一切応じなかった太地町が、初めて沈黙を破り、AFP通信Japan Timesの取材に応じました。発表された記事は、国内外で大きな反響を呼びました。

制作開始から完成まで7年という長い道のりを振り返ると、完成した映画は最初の構想とは随分違う作品になりました 。

NY五番街にあるトランプタワーは、選挙後観光名所に。連日厳重な警備体制が敷かれている

私たちが住む世界は、7年前とは大きく変わりつつあります。映画完成直後の11月、アメリカの大統領選挙では、大方の予想に反してトランプ氏が次期大統領に当選。その半年前には、イギリスが国民投票でEU離脱を選択しました。

このふたつは、分断する今の世界を象徴する出来事でした。それは、グローバル vs ローカル、都市 vs 地方という価値観の対立でもあります。そして「ふたつのクジラの物語」は、まさにこの対立する価値観を描いたものです。イルカやクジラを殺さずに保護したいという考え、日本では「反捕鯨」とカテゴライズされる考えは、今のグローバルな価値観を反映しています。一方捕鯨を続けたいという思いは、長く続いた日本固有の伝統や産業を守って行きたいというローカルな価値観に基づいていています。映画では、どちらが正義か悪かを判断することなく、和歌山県太地町を舞台に、このふたつの対立する世界観を描きました。

「ふたつのクジラの物語」が、トランプ大統領の時代にどのように受け止められるのか。不安でもあり、楽しみでもあります。

現在、北米とヨーロッパでの上映、そして日本での公開に向けて準備を進めているところです。映画をご支援頂いた皆さまに重ねてお礼を申し上げるとともに、予定より大幅に映画の完成と公開が遅れ、ご心配をおかけしたことを心よりお詫び致します。新年は、1日も早く皆さんに映画を見て頂けるよう、精一杯力を尽くして参ります。

2017年が、みなさまにとってすばらしい年となりますように、お祈りしております。

佐々木芽生


©2016 FINE LINE MEDIA JAPAN Inc. All Rights Reserved.

事務局:

〒153-0043 東京都目黒区東山3-3-10-403
(株)FINE LINE MEDIA JAPAN
[MAIL] info@flmj.co.jp
[ハーブ&ドロシーWEB] http://www.herbanddorothy.com/jp/

○メグマガの新規登録、アドレス変更はこちら
○配信停止 {DELURL}

最新情報はSNSで